【徒歩旅】京都の本屋さん巡りをしてきたお話(その3)


【徒歩旅】京都の本屋さん巡りをしてきたお話(その2)の続きです。




ホホホ座




京都の住宅地を迷いながらずんずん歩いていくと、ホホホ座はありました。

遠目に見ると、闇の中に明かりが煌々と焚かれていて、ここだけスポットライトを当てられた光景が印象的でした。

近隣住民の自転車が軒先に駐輪してあります。

また、近隣の主婦の方々が笑談していたりと、”土地に根ざした場所なんだろうな”と感じました。





※書店の方の了承を得て店内を撮影しています。





※書店の方の了承を得て店内を撮影しています。




 イラストの展示や、雑貨の陳列が多く、現代アートを全面に出した、色彩が豊かな店内でした。

”現代アーティスト集団が好きそうな空間だな”とも感じました。これも直感でしか無いですが……。



ここで気になった書籍はファッションやライフスタイル関連のものが多かったです。


BEAMS AT HOME~日本を代表するおしゃれクリエイター集団ビームススタッフの「暮らし」と「服」

TOKYO CULTUART by BEAMS IN THE CITY vol.16 / CameraTalks
これらは衣料品や雑貨を販売するセレクトショップ、BEAMSが出版した書籍です。
『BEAMS AT HOME』の中をパラ読みすると、BEAMS社員の部屋の写真が載っていました。その何に興味があるかというと、ひと目でわかるファッション・インテリアコーディネートの抜群なセンスですよね。あと、どの写真からも、自らの好きなモノに囲まれた、上質なライフスタイルを確立している様子が伺えます。
賃貸マンションで味気ない人生を送っているので、”これを参考にして、こんな生活に彩りを持たせられたら。”と思う次第です。
『 TOKYO CULTUART』はパラ読みしたのですが、内容を忘れてしまいました。その程度の書籍だったのかもしれませんが……ただ、気になった書籍メモにタイトルが載っていたので、後でじっくり読むかもしれません。読まないかもしれません。

The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅

『自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと』を執筆した四角大輔の新書です。
自分は”旅をして人生が変わった”人間の一人ですし、旅は本当に好きです。でも、他人の旅はあんまり興味がありません。旅の話を聞いても、(失礼だけれども)”へぇーそっかー良かったですねー(棒読み)”で終わる人間です。多分それは、残念だけれども、自分以外の人の進退に興味が無いのだと思います。
それと、話し手の力量にもよるのですが、旅の話は出来事の羅列ばかりな事が多くて、”そこから何を得たか”、”それからどう考えるようになったか”、”それからどう生きるようになったか”が見えてこないのもあります。プレゼンテーションに例えるなら、箇条書きをただ音読しても内容に興味が持たれないけれど、最初から終わりまで物語で伝えると理解されやすい、というような感じでしょうか(例えがわかりづらい)。
この書籍では、十数人が原体験した旅を綴り、その後の生き方にどう影響しているのかが明かされています。そういう意味で興味をそそられる内容でした。自分の人生に疑問を感じているからこそ、響いてきた内容だったんだと思います。

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

タイトルからしてインパクトが大きかった漫画。誠光社にも並んでいましたね。
pixivの方でも読めるようです。R-18(18歳未満閲覧禁止)注意。

花のお江戸の若旦那:彩色江戸漫画

最近のやたらと目が大きい ”萌え絵”には無い、浮世絵に似た絵柄に惹かれました。積み本が無くなったらいつか読みたいですね。いつになるんでしょうかね。十分な休みがほしいですね(切実)。
話は変わると思いますが、こういう時代物ってホントに好きでしょうがないです。藤沢周平の『たそがれ清兵衛』は何度も読みましたし、黒澤明の『椿三十郎』『用心棒』『七人の侍』も好きすぎて痺れます。時代物漫画として紹介するにはためらいがありますが、オノ・ナツメの『つらつらわらじ』『ふたがしら』『さらい屋五葉』もおすすめです(全て完結しています)。

日本の神託カード

厳密に言うと書籍ではないですが……。絵柄とタロットカードのようなスピリチュアル的な何かに惹かれます。



さて、こちらでは以下の書籍を購入しました。


IN/SECTS Vol.6.5


「いいお店のつくり方」と銘打った特集が組まれていましたし、先に訪問した誠光社の記事も一部載っていましたので、手に取ることにしました。

各お店の記事が組まれていまして、開店するきっかけや、お店へのこだわりがインタビュー形式で載っています。各お店の記事の最後に、開店資金や開店までの手順、簡単な(開業社向けの)アドバイスもあります。変わっているかもしれませんが、開店資金のおおまかな内訳を見て手に取ったようなものです。”数百万あれば、生きていけるかいけないかはさておき、自分の店を持てるのだなぁ。”と開業が夢ではなく、現実のものに思えてきましたし。
もし、今後開業する場合、この記事を基に、具体的な方針や行動を考えやすくなりますし、そうでなくても ”ショッピング中に、お店への視点も変わってきて面白くなるだろう。”とも考えました。
先ほど『The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅』のくだりでも述べましたが、自分の歩んできた人生に疑問を持ち続けている今、”こういう他人の経験から学べることは学びたい。”そして ”組織から自立できるのなら自立したい。”と知らず知らずのうちに感じているのかもしれません。




恵文社一乗寺店




京都に着いてから2日目。

雨のシトシト降る中、地方の商店街のような舗装路をトボトボ歩いていくと、明らかに雰囲気の異なる店先が見えました。



※書店の方の了承を得て店内を撮影しています。


店内に入ると、落ち着いたアンティーク調の家具が居を構えています。ダークウッド調の床板をギシギシ言わせながらゆっくり書架の間を歩き、天井にポツポツ点いたピンポン玉のようなライトにぼんやり照らされた書籍を眺めていきます。壁際の書架の間には、ガラス張りの展示棚があり、この空間には溶け込むモノが陳列されていたのでした。実生活には不要そうな、ウサギ毛で作られたマリモのような緑の物体や、ボタンの留められたカードなど。

”レトロスペクティヴ京都だ。”
この異様な空間に呑み込まれ、意味もわからず、そんなことを感じたのでした。
同人誌(コミケにあるような薄い本じゃないよ)も多く扱っており、市販書籍の枠組みから外れた、作家の自由奔放なスタイルが見られただけでもかなり良い刺激になりました。
”創作はこんな自由でいいんだなぁ……。”と自分の中でも何かが吹っ切れたのでした。



こちらで気になった書籍はアート寄りの書籍が多かったですね。


Stuben Magazine 02

表紙を飾る、雪の結晶の写真に惹かれて手に取りました。世界各国のスノースポーツのもようや、各地のリゾート地の取り組みを魅せる写真とともにコラムが綴られています。
雪国でスノースポーツに慣れ親しんだ身としては、読みながら懐かしさがこみ上げてくるようでした。

EYESCREAM+(アイスクリーム プラス)石川直樹 — この星の越境者 —:2017年01月号 EYESCREAM増刊

著者の石川直樹は2000年に北極〜南極を人力走破したグループの一人だったと記憶しています。当時出版された日記『この地球を受け継ぐ者へ-人力地球縦断プロジェクト-P2P-の全記録-』を読んで、”こういう世界もあるのだな”と思ったのも記憶しています。今思い返せば、自分の自転車旅の原典は、親の趣味で本棚に羅列されていた、椎名誠や植村直己、野口健、石川直樹の書籍だったんだろうな、と。
話が逸れてしまいました。
この雑誌は写真家かつ冒険家の石川直樹の山岳写真がギッシリと詰まっています。部屋に居ながらにして、世界各国の山岳の空気をリアルに感じさせてくれる写真ばかりでした。

三つ星シェフの味付けの魔法

パリの3つ星レストラン厨房の空気が伝わってくるリポート漫画でした。こういうプロの仕事の裏舞台ってホントに興味が尽きません。
(何故かジェイミー・オリバーが貧困層の若者をシェフに育てる番組を思い出したんだよなぁ……。)



こちらでは以下の書籍を購入しました。


世界をきちんとあじわうための本

毎日過多なストレスに晒されて精神的に疲労しやすく、感情(主に怒り)の制御が難しくなってきたため、最近生活に取り入れ始めたマインドフルネス。この手法に通じる考え方を、多くの写真や洗練された文章で、芸術的に表現されているように感じたので手に取ったのでした。
マインドフルネスは禅の考えに通じる部分もあります(勝手にそう理解しているのですが)。この書籍では写真を多用することで、その考え方に導入されやすく、理解しやすいように思いました。また、マインドフルネスや禅の考え方を多方面から理解するきっかけになれば良いですね。
ちなみに、マインドフルネスを知ったきっかけは、久賀谷亮『世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる』からでした。ストーリー形式で理解しやすいので、興味がありましたら是非どうぞ。


後日談


今回の戦利品の一部。


IN/SECTS Vol.6.5』の誠光社の経営記事を読んだりして、学んだこと・思ったことの一部をメモに残しておきます。


”小さくある、それが一番強い”

-商いの分母分子論。分母が小さければ分子が小さくても、上がりが大きい。
-規模は小さく、しかしどんな工夫が出来るか。
・メインの商材(書籍)の利幅が小さいから雑貨を置くのではなく、利幅が低くてもやっていけるようにお金をかけずに分母を小さくする。
・メインの商材の利幅をちょっとでも上げる(出版社との取次を介さずに、直接まとまった冊数を仕入れすることで、仕入れ値を下げる)。

この分母分子論がちきりんの新刊『自分の時間を取り戻そう!』にも主張されていた話なので、印象的でしたし、スッと頭に入ってきました。”ここでも繋がっているんだなぁ”というように。


三月書店のブログ(のようなもの)の三月記(仮題)でも経営について触れられています。読んでいると、出版業界は経営不振に陥っていることがわかります。

”最近売れてるような気がする本”、”これから売れそうな気がする本”、”去年ほんとうによく売れた本”の統計を取っているほか、書籍の返品率統計を取っていたり、他の書店の売上を分析していたりと、商材である書籍だけでなく、市場もしっかり研究されている点に驚嘆させられました。”ここまでやるんだなぁ。やらなきゃならないんだ。”と。この研究は、株式投資にも似ているなと思いましたね。”今月の市況はこうだから、この本にどれだけ投資するか”、みたいな。
こういう経営判断や研究は、客側からは見られる機会が少ないのですが、それがいったん表面化されると、その苦労が痛いほどわかりますよね。
ホントに良い刺激になりますね。



さて、長くなりすぎました。今回はこの辺で。ではではー。

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