【ごはん】Anovaで塩漬け豚作ろうとした(調理実験)



結論から言うと、塩分が強すぎて大失敗です。
10%の塩分濃度で6晩漬け込んで、1%の塩水で3時間塩抜きするのは失敗条件でした。


導入

【ごはん】Anovaでローストビーフまた作った(調理実験)

前回のローストビーフを仕込んだのと同じ日に、塩漬け豚を仕込んでいました。
せっかくAnovaを導入したのに、ローストビーフ単品ばかり作っていては、Anovaを活かしきれないのです。
ですので、学生時代にも作っていた塩漬け豚のレシピを完成させるべく、塩の量や、時間を計測していきます。
完成させるレシピの方向性は「頻繁に手を加えなくても出来る」「平日はフルで働くサラリーマンでも出来る」とします。
目指せ、ずぼらメシ。

実験手順


今回は豚ももブロックを購入しました。
643 gです。
100 gあたり88円と、最近の肉相場からすると安めです。


豚肉の重量の10%程度の精製塩を用意します。

肉を塩に漬け込むと、肉汁が染み出してきます。
やり方によっては、この肉汁を頻繁に取り除かなくてはなりません。
日中働いて疲れて、帰ってから面倒な作業はしたくないです。したくなくないですか?
なので、肉汁を取り除く作業は、省けるようにレシピをアレンジする必要があります。
これを踏まえて、塩の量は下のサイトを参考にしました。

パンチェッタ風豚肉の塩漬けの作り方

「10%以上の塩を使った場合などは必ずしも汁気を取り除かないようです (揉み込むことによってむしろ水が抜ける).」と書いてあったので、10%を採用しました。


ハーブも適量用意します。
知人が乾燥ハーブ(ローズマリー・オレガノ)を持っていたので、少量分けてもらいました。


最初、ローズマリーの枝を全部ぶっ込もうとしていました。
「葉っぱ5枚程度で十分だよ。全部入れたら後悔するよ。」との警告をいただき、思いとどまりました。無知って怖い。


ZIPロックの中に豚肉を入れておきます。


塩を入れます。


ZIPロックの閉じて、豚肉全体に均一に馴染むように塩を揉み込みます。
面倒でも、この工程は必要と思われるので、やりましょう。


水を張った容器の中で空気を抜きます。
これを-3〜0℃程度の氷点下で冷蔵します(冷凍じゃないです)。
今回は雑菌の繁殖を抑えるために、出来るだけ低温の設定にしました。
4℃程度でもあまり大差は無いと思われます。


6晩ほど経ちました。約135時間でしょうか。



想定していたより変色は少ないです。


1%程度の塩水で、3時間ほど塩抜きをします。
真水で塩抜きをしないのは、肉の旨味を流出させないためだそうです。
ラップをして冷蔵庫に入れておきます。


塩抜き後、ZIPロックに入れ、いつものように低温調理をします。
今回の設定は57℃、3時間です。

57℃、3時間の設定にしたのは、E型肝炎ウィルスを死滅させるためです。
以下のサイトで、E型肝炎ウィルスを死滅させる指標が56℃、60分とありました。

豚肉の真空調理、低温調理に必要な温度と時間 - エンジニアのメソッド

しかし、Anovaの能力で、鍋内の水温が本当に均一に出来るのか疑問があります(鍋肌付近で温度が下がっている可能性)。
また、Anovaの設定値を56℃にしても、機械内部の温度センサーに誤差があれば、実際の水温は上下します。
水温が上がる分には、衛生的には問題ありません(繊細な低温調理がされないという意味では問題あり)。
しかし、下がった場合、しっかり殺菌されない問題があります。
ですので、E型肝炎ウィルスを死滅させる56℃、60分よりも加熱する、57℃、3時間の条件にしました。

結果



3時間経ちました。


引き上げます。


肉汁が多少出ています。


表面を炙って殺菌します。


ブロックの真ん中を切って、切断面をチェックします。
塩漬けにしたためか、肉汁の流出はありません。


ピンク色ではありますが、熱はしっかり通っています。
低温調理したのですが、あまり柔らかさがなく、豚ももの繊維感がかなり出てしまいました。
また塩気がひどく強く、例えるなら、肉のように柔らかくなった岩塩をそのまま食べているような味でした。
明らかに塩抜きに失敗しています。


仕方がないので、塩漬け豚は角切りになり、スープの素になりました。


スープにして、塩漬け豚の塩分濃度を下げる作戦です。
写真よりもさらに水量を増やし、ようやく人が食べられる味になりました。

反省会

豚肉が硬かった点

豚肉の部位選択を誤った可能性があります。
もしくは、塩分濃度が高く、そのせいで肉の水分量が減って硬くなった可能性も。

調理温度をこれ以上下げると、衛生的な懸念があります。
なので、これは次回以降も固定、もしくはより高温で実施しようと思います。

塩分濃度が高すぎた点

・塩10%は多すぎる
・塩漬け時間が長すぎた
・塩抜き方法に問題があった

この3点が原因として考えられます。

「塩10%が多すぎる」「塩漬け時間が長すぎた」については、次回以降、塩の量と漬け時間のバランスを取りながら試行錯誤していく必要があります。
塩10%で6晩は長い。
これは事実なので、塩の量を下げるか(1.5%・2%・3%・5%あたり)、漬け時間を短くするか(1晩・2晩・長くても今回の半分の3晩くらい)で試行してみる。
1つのパラメーターを変えても上手くいかないなら、双方のパラメーターを下げた組み合わせでやっていくしかなさそうです。

また、「塩抜き方法に問題があった」について、さらに考えます。
塩10%で6晩漬け込んだ豚肉に対して、1%の塩水で3時間の塩抜き時間は短い。
これが今回得られた結果です。
改善するには、塩水を使用しない、塩抜き時間を長くするなどの方法が思いつきます。
ただ、塩水を使用しないと、肉の旨味が抜け出す(らしい)ので、ここは変えない予定です。要検証項目ではありますね。

今後、塩の量もしくは漬け時間を短くする予定なので、塩抜き時間は短くしなくても良いかもしれません。わかりません。

この記事の最初に挙げたように、完成させるレシピは「頻繁に手を加えなくても出来る」「平日はフルで働くサラリーマンでも出来る」を目指しています。
ですので、肉汁を頻繁に取り除かなくてもよく、帰宅から就寝までの時間内(3時間程度以内)で作業出来る条件を探さなくてはなりません。
また、仕込んでから出来上がるまでの期間が長すぎても、モチベーションを維持できません。
これについては、今回の結果を踏まえて、次回やるときに考えていきましょう。やっていきましょう。

ぼやき

学生時代に適当に作って、適当に美味く食べれていたので、今回の失敗が残念です。残念すぎます。
もはや感覚で適当に作っていたので、レシピを思い出そうとしても思い出せないのも、残念すぎます。自分の頭が。
こうやって古代技術はロストテクノロジーと化していくのですかね……。



今日はここまで。ではではー。



追記(2017. 09. 24)

【ごはん】フライパンでトマトパスタ

さんざ「失敗した」と思っていた塩漬け豚ですが、スープの素として、かなり優秀なようです。
塩分が高いので、生肉より保存がききますし、風味も市販の固形スープの素にひけを取らないように思います(個人的意見)。



2 件のコメント :

  1. はじめまして。サイトへのリンクから辿ってきました。
    写真見ると美味しそうですが、そのままはしょっぱすぎなんですね。
    出汁のもとになるんなら作ってみようかな。

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  2. はじめまして。わざわざ辿ってきていただいてありがとうございます。
    今回作ったのは本当にしょっぱくて、岩塩かじってるような酷さです。決して誇張ではなく……。
    なので、出汁のもとになるとはいえ、重量比5%以下で作られることをオススメします(それでもしょっぱいかもしれませんが……)。

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