田中光顕 "私の主義"

つい先日, 大洗町の "幕末と明治の博物館"へ行った折に, 田中光顕の肉声を聞いたのでした.
その内容に感心したので, ここに一部を引用したいと思います.


私は一つの主義がありまする。其の主義は韓退之が伯夷の頌と云うものに「挙世之を非とするも力行して惑わず」と言うことがありまする。それを私は主義にして居りまする。 

田中光博は昔から, 自らの信じることを曲げない人物であったよう.
それ故に嫌われ, 憎まれることもあったと語っています.
しかし, 信じたことを曲げずに行うことで, 大いに功を奏した局面もあったとのことです.

もう一つ, 書き留めておきたい内容がこちら.

私が、昔、長州に居りまする時に、高杉晋作と云う先生に聞きましたことがございまする。それは「自分の親父が云うのに、武士と云うものは困ったと云う事を云うものでない。困ったと云う時は即ち死ぬる時である。平生に、是は困ったもんであると、云う様な事をよく云うが、それは極くいけない。決して困ったと云う事を云うものではない。考えていかなくてはいけない」と云う事を聞きました。

困ったと言ってしまうと, 思考停止になってしまうので, 困らないように考えていけば何とかなる.
困らないように考えていけば, 心が安らかになり, 何にも頓着が無くなっていく.
それに, 困らないように, 困らないようにという考えをしていかないと, 気楽に, 楽しく過ごしていくことが出来ない.
ということも語っています.

田中光顕の語った主義の内容もそうですが, 百数年も前の志士がこのようなしっかりした考え, 指針を持っていたこと, 現代の自己啓発書にも載っている内容, 現代にも通用する考えが, 百数年も前にあったことにも, "おおっ"と感心したのでした.

彼の主義を自分も吸収して実践していきたいなと願いつつ.
今日はこの辺で. ではではー…φ(:3」∠)_


追記 (2016/05/10)

田中光顕の吹き込みレコードの一部, 動画投稿サイトにアップロードされていました.
大洗町の "幕末と明治の博物館"では全文を聞くことが出来ます.





0 件のコメント :

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。