【観光地】ゴールデンウィークに室堂ターミナルへ行ってきた

残雪期でも登山客や観光客で賑わうターミナルでした(2019/04/28、30訪問)

富山駅からのアクセス

電鉄富山駅

朝の6時。4時に起きて富山駅前の広場までやってきました。
登山趣味は朝早く起きて移動しないといけないところがつらいですね。

電鉄富山駅の改札前では、朝6時から既に20人くらい並んでいました。
電鉄富山駅から終点の室堂ターミナルのうち、立山駅から美女平駅までは、時刻指定の切符を購入する必要があります。
ゴールデンウィークなどの混雑時、この切符は事前予約出来ず、当日しか購入できません。
ですので、皆さん早朝から駅に来て、発券のために並んでいるのですね。
大勢並んでいるので、目的電車の発車ギリギリの時間に行ってしまうと、発券が間に合わず乗れないことがあります。

ちなみに、電鉄富山駅からの公共機関は以下の乗り継ぎで行きました。
・電鉄富山駅〜立山駅(立山線、電車)
・立山駅〜美女平駅(立山ケーブルカー)
・美女平駅〜室堂ターミナル(立山高原バス)

目的の電車に乗るために、電鉄富山駅での発券を諦めて電車に飛び乗り、立山駅でケーブルカーの発券をしようかと考えました。
しかし、案内係の人に「立山駅はもっと混んでいて、そこで発券してもかなり遅い時間にしかケーブルカーに乗れないよ。」と教えていただいたので、素直に待つことにしました。
待っている間に、行き先と支払い方法の記入用紙がもらえるので、記入して自分の順番が来るまで待ちます。

待っている間、案内係の人たちが海外の観光客に向けて、英語で説明しているのが聞こえました。
20年前、僕はここ、富山市の小学生でした。
その頃には、海外観光客が大勢来ることも、海外観光客向けに案内することも見られなかった光景でした。
時代の移り変わりを肌で感じとる一場面でしたね。

発券の順番が来ました。
今回、6時に発券してもらって、8時40、50分くらいのケーブルカーに乗るように指定されました。
立山駅に7時頃に到着するので、1時間30分ほど待つことになります。

さて、ようやく発券されたので、20 kgほどの重装備を担ぎながら電車までダッシュします。
間に合え。

昔からずっと大切に使われてきた車体が僕を待っていました。
何とか間に合いました。

立山線

一級河川の常願寺川です。
小学校低学年の頃、富山市内から常願寺川沿いの公園まで歩いて遠足させられたことを思い出しました。
距離にして往復14 km。
あの時の基礎鍛錬があったからこそ、今でも歩いてキャンプ場に行こうと思ったり、荷物満載の自転車で坂道を登ったりするのかもしれません。

市内を三方向から囲む山々。
写真中央右寄りに劔岳と立山三山が見えます。
米どころの富山県らしく、山に近づくにつれて田んぼが増えてきます。

県道182号線の芳見橋。
下を流れるのは常願寺川で、20 km程上流の称名滝も源流の一つです。
山からの雪解け水を集め、青く清い急流となっています。

まだ建設当時のままの木造駅舎。
毎年、山間部の深雪に耐えていると思うと、感慨深いものがあります。

立山駅が見えてきましたね。
背景の山々には、雪がうっすら積もっている様子が見て取れます。

立山駅

立山駅に到着し、電車のドアが開いた瞬間、ダッとなだれ込む観光客、登山客たち。

駅の待合スペースでは、次の駅、美女平駅までのケーブルカーを待つ人でいっぱいでした。
登山客はしっかりした装備の人だらけで、雪山初心者の僕は気後れしてしまいます。

ここでは、チケット発券時に指定された時間にならないと、ケーブルカーに乗れません。
重い重いザックを柱に寄りかけて、駅の中を探検することに。

駅構内には山岳用品のレンタルショップがありました。
ビーコンやゾンデ棒、スコップ、ピッケル、バックカントリースキー、スノーシューだけではなく、スキーウェアなども貸し出しているようです。
積雪期の立山では、登山する際にビーコン携帯がルールとして決められています。
もしお持ちでないなら、レンタルの予約をしていくのが楽ですし、コストとしても安いかもしれません。

参考リンク:
立山山岳サポートサービス レンタルショップTABO
入山ルール | 立山室堂 山岳スキー情報

お土産屋さんでは、昔ながらの防寒着が売られていました。
万一、観光客が山の寒さを知らずに来ても、寒さはしのげますね。
この時期、平地では暑いくらいだったのですが、終点の室堂平では冬と同じくらいの気温でしたからね。

立山周辺でよく見られる雷鳥 をモチーフにしたぬいぐるみです。
大きいぬいぐるみを見ると、ムギュって抱きしめたい欲求に駆られます。

食堂がありましたが、混んでいたので、立っていても食べられるものを選びました。
豚まんとコロッケです。

肌寒い駅構内で食べる豚まんはホッとしますね。

ケーブルカー

指定された時刻になりました。
行くぞ。
チケットに印字されたQRコードを読み取ってもらいます。

ケーブルカーは傾斜のある区間に作られているので、駅が階段状になっています。

ケーブルカーの車体も、傾斜を考慮した形状・角度になっています。
通常の電車とは異なって、平行四辺形のような形状です。
写真右下に見えるのが車掌室、真ん中に見えるのが荷台で、ケーブルカー本体の大部分を占めています。

参考リンク:
のりもの大図鑑 | 楽しみ方ナビゲート | 立山黒部アルペンルート

最後に見えてくるのが客室になります。
繁忙期には、この小さな車体に、何十人もの人がギュウギュウ詰めになるのです。

登山客のザック類は係員の人たちに預けて、荷台に載せてもらいましょう。
係員の人たちも慣れたもので、渡された次々とザックを敷き詰めていきます。
カメラや携帯電話、財布など身につけておきたいものは、事前にポケットやサコッシュに入れておいたほうが、慌てふためくことなくザック類を預けられます。

3分もかからないうちに、大型ザックが載せられました。
そろそろ出発です。

坑道のトロッコのようなけたたましい音をたてながら、線路の上を車輪が回ります。
山の上からケーブルを引っ張って、この車体が動いているのです。
最初のトンネルを抜けると……

そこは雪国でした。
久しぶりの雪景色に、心中、子供のようにはしゃいだのでした。

自分のザックと雪景色を眺める。
乗員が多く、雪景色の全景がしっかり眺められませんでしたね。

美女平駅

美女平駅に到着しました。

ケーブルカーの中からよく眺められなかった雪景色を眺めます。
やはりこう、開けた視界の方が景色は良いものですね。

あまりボーっと眺めていると、バスを待つ時間が長くなってしまいそうだったので、慌てて駆け上がります。

駆け上がったところで、またけたたましい音をたてながらケーブルカーが降りていきました。
バイバイ、また2日後。

たった今ケーブルカーから降りてきた人達が室堂行きのバスを待っています。
バスは待機列に並んだ順に乗れるので、早めに列に並ぶ人が多いようです。
とはいうものの、ほぼ同時刻発のバスに乗れます。
窓際に座りたいなどの要望が無ければ、あまり急がなくても良さそうです。

お土産屋さんを横目に、列に並び続けます。

ここでもチケットに印字されたQRコードを読み取ってもらいます。

バスに乗り込みます。
ここでもザックなどの大型荷物は預けることになります。

立山線

列に並んでいた順番が良かったのか、始めの方にバスへ案内されました。
やったぜ。

幸いにも窓際の席に座れました。
室堂ターミナルまではヘアピンカーブが続いたりするので、乗り物に酔いやすい人は対策をしましょう。
酔い止めを服用しておいたり、窓際に座ったり。
本を読んだり、スマートフォンを操作したり、下を向くと酔いやすいですよ。

さて、出発です。

立山山麓には、固有種のタテヤマスギが自生しています。

美女平駅を出てすぐの地点では、積雪量は2 mくらいでした。

遠くにも雪山がちらほら見えます。

仙洞スギ。
樹齢300年以上のタテヤマスギです。
幹周りは940 cmにも達する巨木です。

仙洞スギからしばらく進むと滝見台です。

ここから称名滝が見えるので、バスがゆっくり進行してくれます。
写真中央に称名滝がうっすら見えます……見えてます……(みなさん)見えてます?

弥陀ヶ原付近にさしかかったところです。
山越しに富山湾を眺めます。
雲はありますが、遠方までしっかり見通しの良い天気でしたね。

写真右上に虹が見えています。
太陽の周り、輪っか状に見えるこの虹は、環水平アークと呼ばれるそうです。

参考リンク:
環水平アーク - Wikipedia

ゴールデンウィーク時期の室堂平では、この写真のように積雪量が10 m以上にもなります。
毎春、バスが通れるように道路は除雪され、雪の大谷として観光アピールされているのです。

室堂ターミナル

ターミナル構内

室堂ターミナルに到着しました。
写真をバシャバシャ撮ったり、スマートフォンを操作していたので、少しバスに酔ってしまいました……新鮮な空気を吸って、回復します。

ここに来るのも小学生以来ですね。
遠足で雪の大谷を見たり、宿泊学習で立山三山を縦走したりもしました。
先程書いた低学年の遠足での行進の他にも、遠足の折に登山したりするので、富山の小学生は知らずしらずのうちに山岳民族としてエリート教育を受けさせられているのでは……と勘ぐってしまいます。

こちらは黒部ダム・信濃大町方面へ向かう立山トロリーバス乗り場です。
室堂ターミナルへは、富山側、長野側の2方面から来ることが出来るのです。

参考リンク:
立山黒部アルペンルートとは|立山黒部アルペンルート


来たばかりの時間なので、人もまばらですね。
大体の人は周辺の散策に出かけて行ってしまいます。

ちなみに、多くの観光客が帰宅しようとする時刻には非常に混雑します。
写真はゴールデンウィーク2日目の午後2時での状況ですね。
混雑の酷い時間帯ですと、美女平駅までのバスに乗るまで3時間も列に並ぶそうです。
混雑に巻き込まれたくない方は、正午前にはバスに乗ってしまうことを強くオススメします。

立山山頂簡易郵便局。
期間限定で開局しますが(5月〜11月)、ここから手紙を出すことも可能です。

2階 ホテル・レストラン・売店

階段で2階へ。
左のいかつい男の石像は、佐伯有頼をかたどったものです。
佐伯有頼は、701年に熊と白鷹に導かれて立山を開山したと語り継がれる人物です。
立山開山の歴史も、小学生の頃に郷土学習で学んだなぁ……。

室堂ターミナルの2階はホテル立山のロビーになっていました。
また、同じ2階にレストラン、喫茶店が営業しています。

THE NORTH FACEも店舗を構えていました。
万が一、登山用ウェアの忘れ物があれば買い足せますね。
もちろん、忘れ物をしない心がけは大切ですが。

売店には富山のお土産が多く置いてありました。
日本酒立山は富山市内の居酒屋でもよく見かける銘柄ですね。

立山神社峰本社旧社殿

さらに屋上へ向かって登ると、1860年に雄山頂上に建設され、近年解体された立山神社峰本社が展示してあるようでした。

遭難の注意書きが掲示してありました。
これから別山(べっさん)に登る予定なので、身が引き締まります。

立山神社峰本社の部材の一部です。
痛みが激しいとはいうものの、そこまで朽ち果てている様子ではありませんでしたね。

以下に写真右下のパネル説明書きを引用します。

立山神社峰本社旧社殿部材
この部材は万延1860年に当時の加賀藩によって、立山・雄山の頂上に造営された、立山神社峰本社社殿部材の一部です。
峰本社は、造営から135年余りの間、立山の巌しい風雪に耐えてきた頑丈な総欅造りの社殿でしたが、平成8年7月社殿の再建に伴い、前年の7年9月に解体された後、麓の芦峅雄山神社にて保管しておりました。
その後峰本社旧社殿は、平成25年7月に、この室堂ターミナル遥拝殿内に再建いたしましたが、痛みの激しい部材について、ここに展示したものです。
立山雄山神社

こちらが再建された旧社殿ですね。
大部分に新しい部材が追加されていますね。
それだけ再建に耐えうる部材が無かったのでしょう。

135年余り山頂で風雪にさらされる壮絶さは想像に難くありません。
ただ、旧社殿を見て自然の厳しさを実感するよりも、135年でもこれだけよく耐えられるのだなぁ、木造建築は案外頑丈だなぁ、という感想 の方を強く持ちました。

屋上展望台

屋上展望台に出て、美女平方面から来るバスの駐車場を見たところです。
ところどころから中国語がよく聞こえましたね。
この先を道路沿いに歩いていくと、雪の大谷があります。
多くの観光客は、この雪の大谷をメインに観光しています。

出てきたターミナルの建屋を振り返って見たところです。
この右側に、ターミナル内よりも混まないトイレがあります。
混まないので、ターミナル付近を散策する際によく利用していました。

建屋が小さく見えますが、これはあくまで展望台への出口に過ぎません。
この雪面下に、今まで写真で紹介してきた広いフロアがあります。

屋上展望台から立山三山方面に抜けていきます。

目前に立山三山を見た時は、「このためにはるばる来たんだなぁ ……」としみじみ思ったものです。
何も遮るものが無い大空。
眼前に見える白銀の世界と、そびえ立つ霊峰。
外界のあれやこれやの空虚さと、自分の小ささを感じさせられます。
山に行くのは、毎回この感覚を味わうためなんでしょうね。

振り返って室堂ターミナルを見たところです。
ターミナルの上はホテルになっているので、見えている窓は客室でしょうね。
ご来光や夕焼けの立山を眺めながら過ごせるのは快適そうです。
老後、テントや山小屋泊が難しくなったら利用させてもらうでしょう。

さて、この日を含めて3日間、室堂周辺で雪の大谷や、みくりが池温泉、雷鳥沢キャンプ場別山などを散策してきたのですが、それはまた別の話。
今日はこのへんで。ではではー。

参考記事:
【観光地】ゴールデンウィークに室堂から雷鳥沢までを散策してきた
【キャンプ】ゴールデンウィークの雷鳥沢キャンプ場に行ってきた

室堂ターミナルの位置

基本情報

室堂ターミナルは標高2,450 mに位置する、日本でも最も高い場所にある鉄道駅です。

参考リンク:
室堂ターミナル|ホテル立山【公式サイト】
室堂|駅・ターミナル案内|立山黒部アルペンルート

周辺地図



周辺の観光地としては雪の大谷や、みくりが池、地獄谷があります。
いくつかの山小屋で日帰り温泉に入れるので、観光のついでに日々の疲れを癒やすのも良いでしょう。
もちろん、周囲には多くの山々があるので、一つの山を登ったり、縦走するのも良いでしょう。


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